103-B「黒之浜/阿久根」

20061214 鹿児島県阿久根市にて採集

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◇辛うじて読み取れる表示の行き先は…

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◇白看の背後に控えるのは「黒之瀬戸大橋」の青看。スタイルからして有料道路時代のものか。


◯白看の種類:103-B「??Km 黒之浜 →/ ← 阿久根 ??Km」(複柱式)

◯白看が設置されている道路:阿久根市道折口本線×鹿児島県道365号脇本赤瀬川線(←国道389線旧道)

◯概要:1枚目の写真を御覧いただきたい。下段の「阿久根」は辛うじて読み取れるが、上段は肝心の地名の部分が腐食して穴が開いており判読不可能である。以前のブログ記事では青看をもとに「黒之瀬戸」と推測していたが、今回改めて板面を見るにあたり、アルファベット表記に少なくとも"A"が含まれることを発見した。それでも見当ががつかなかったのだが、当時撮影した写真ファイルを見返すとこの白看の前に撮影した古い青看がヒントとなった。

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「黒之浜港」である。黒之浜は阿久根市の北部、長島に向かって突き出した小半島の先端に位置する。現在は「黒之瀬戸大橋」で結ばれている九州本土と長島だが、1974(昭和49)年4月の橋の完成までは県営の定期フェリー「黒之瀬戸丸」が黒之浜港と長島の瀬戸港を結んでいた。ということで改めて1枚めの板面を見ると“AMA”と読める気がする。というわけで不明だった1段目は「黒之浜」ではないかと推測した。

この白看については4年後の2010年6月19日にもう一度撮影している。すると虫の息ではないか。支柱が折れたのかばったりと倒れ、更に直接板面に天水がかかるようになったためか、辛うじて読めていた文字もほとんど消えかかっている。念ずれば「阿久根」がやっとわかるくらいであろうか。

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初回の取材では見落としていたが、支柱に「鹿児島県」の文字がある。向かって右側の支柱が折れたのか、板面と一緒に倒れている。こんな状況を道路行政もしくは地域住民がほおっておくわけもなく、最新のストリートビュー(2013年11月)では何もなかったように片付けられている。なお道路公団時代からの青看は健在のようだ。

なお、板面が拡大版であることから設置は昭和30年代後半〜昭和40年代はじめ(黒之瀬戸大橋架橋の事業許可が1970(昭和45)年なので)ではないだろうか。

◯場所はこちら