103-A「明石/大串/白水」

2017年7月30日 広島県大崎上島町にて採集

f:id:zaicchan:20170730162325j:plain

◇個体数が少ない103-A in 瀬戸内の離島。胸熱です。

f:id:zaicchan:20170730162514j:plain

◇単柱式ですが、板面が標柱の最上部にありません。

f:id:zaicchan:20170730162439j:plain

◇生活道路の一角にぽつんと立っています。


◯白看の種類:103-A「↑明石7.8Km/↑大串4.3Km/←白水5.5Km」(単柱式)

◯設置されている道路:大崎上島町道×大崎上島町道(旧広島県道357号大西大西港線×旧広島県道65号大崎上島循環線)

◯概要:大崎上島は広島と愛媛にまたがる芸予諸島にある島。2017年現在、他の島と橋でつながっておらず、本土側だったら竹原や安芸津、四国側からは今治大三島の宗方港から船で渡るしかない。この島は知る人ぞ知る白看のホットスポットであり、ネット上で確認されているだけでも4枚現存しているという。ようやく2017年の7月末に上陸し撮影したのがこの1枚。@o_ishiguroさんのリストによれば、形式不明となっている。私も白看マップ作成の際にストリートビューで確認したのだが、至近距離からだとこう表示されるので、103-Bかと思っていた。ところが現地に来ると希少な103-A。思わず小躍りしたというわけだ。それではじっくり観察してみよう。

板面はサイズの拡大はなく標準的なサイズ。裏面は「二型」の補強鋼で昭和30年代のものではないかと推測される。下の写真のように裏面には設置票が貼り付けられていた。

f:id:zaicchan:20170730162948j:plain

f:id:zaicchan:20170730162410j:plain残念ながらもともと記入されていなかったらしく、設置年月日などを知ることは出来なかったが、納入業者だけはわかった。「(株)日本パーカライジング広島工場」だ。大崎上島で確認できたほかの白看も同じ納入業者だった。この工場、ホームページに行ってみると今でも道路標識をバリバリに作ってらっしゃるようだ。しかも会社沿革を見ると興味深いことが書いてある。

昭和21年9月 進駐軍指定により広島県下全域の道路標識を広島県より受注、続いて警視庁、東京都、千葉県より発注あり、標識メーカーとして本格的操業を開始。 九州、四国、北陸地方各県に納入。

このように白看時代、多くの県で「日本パーカライジング広島工場」の標識が使用されていたのだった。

さて、今では生活道路にぽつんと佇むこの白看、いつ頃設置されたものなのだろうか。
線形からして県道の旧道どうしの交差点というのは明らかである。1962年5月の航空写真では旧道が本道になっているが、1975年2月の航空写真では互いの道が新道に切り替わっている。また、広島県道357号大西大西港線の「梅ケ浜橋」が1966(昭和41)年の架設*1のようなので、少なくともそれ以前の設置であることは明らかである。またWikipediaによれば現在の広島県道65号大崎上島循環線は1960(昭和35)年10月に広島県道281号大崎上島循環線として路線認定されているのでそのときに設置されたのかもしれない(となると一般県道であってもある程度、案内標識は整備されていたのだろう)。

◯場所はこちら