103-B「西山/大阪」

20111112三重県伊賀市にて撮影(2013年7月14日撤去確認)

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◯白看の種類:103-B「西山↑5Km/大阪←67Km」(オーバーハング式・鋼管柱・2点支持)

 

◯設置されている道路:伊賀市道(国道163号線旧道)×伊賀市道(滋賀県道・三重県道138号信楽上野線旧道)×伊賀市

 

◯考察:三重県伊賀市鍵屋の辻の信号なし交差点に設置されていた白看。交差点自体は十字路で現在はすべて市道であるが、かつて道路の種別は3種類あった。すなわち西〜南方向、この白看が設置されているのが国道163号線の旧道、北方向に伸びるのが県道信楽上野線旧道(行先表示のある「西山」は伊賀市西部の地名、滋賀県信楽町との界である御斉峠の入口にある集落)、東に伸びるのが伊賀市道である。今回は先に設置場所の地図を見ていただこう。


より大きな地図で 白看マップ を表示

 

さらっと書いたが、机上でこれを同定するのはなかなか骨の折れる作業だった。

以下にそのプロセスを記す。

1. 国道163号線は1953(昭和28)年5月に二級国道大阪四日市線として指定施行された。

2. 鍵屋の辻を通るこの区間が旧道化したのは1969(昭和44)年頃。※新道が木津川を渡る新長田橋が竣工したのが1969年。 →上野市長田の歴史

3. 国道163号線は上野市農人町を経由していた。 →国道、府県道の道路区域の決定、変更並びに供用開始(昭和34年4月7日:三重県告示第百六十八号) ※現在の国道25号線旧道、伊賀鉄道伊賀線を挟んだ南側。これにより交差点東側の道路は国道ではなかったものと推定される。

4. 現「信楽上野線」はかつて「長野信楽線」という名称で、上野市小田で大阪四日市線と交わっていた。 →車両制限令による自動車の交通量がきわめて少ないと認める道路の指定(昭和38年2月1日:三重県告示第90号の2)

 

国土変遷アーカイブ:1946(昭和21)年5月の鍵屋の辻付近である。道路の様子は昭和40年代までほとんど変わっていない。のちの国道163号線になる道筋が明るく、太く見えるのがわかる。

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背面はご覧のとおり。盤面は後年新しくされているようだ。支柱は設置された当時のままかもしれない。

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しかし残念ながら、2013年7月14日に現地を訪れた際、すでに撤去されていた。

おなじみのストリートビューでは設置されている様子をみることが出来る。撮影は2012年12月とあり、撤去されたのはここ半年くらいの間のようだ。