103-B「さつま市街/紫尾」

20070726鹿児島県さつま町にて撮影  

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◯白看の種類 :103-B「さつま市街↑13Km/紫尾↖5Km」(オーバーハング式/テーパーポール吊り下げ/2点支持)

 

◯設置されている道路: 鹿児島県道397号鶴田定之段線(国道328号線旧道)

 

◯概要: 山中の片道一車線の道路にテーパーポール吊り下げのこの白看。真夏に撮影したということもあるが、 上部は木々の葉っぱで覆われており状態は非常に良好。

一見した特徴は行先表示が書き換えられていること。さつま町は“平成の大合併”により、宮之城町、薩摩町、鶴田町が対等合併し2005(平成17)年3月に発足。修正前は「宮之城」だったはず。合併により新たな標識を作るのではなく、こうして白看を修正し、 使用してくれていることだけでも感謝したいところです。

ちなみに下段の「紫尾」は「しび」と読み、旧宮之城町北部の地区名。 温泉があり、秋には温泉に付けて柿の渋みを取る「あおし柿」が有名です。

 

 この白看があるのはさつま町と出水市の境となる紫尾峠(標高495m)。現在は国道328号線が、1974(昭和49)年に竣工した紫尾トンネルで貫いていますが、 もとはこの白看が設置されている鹿児島県道397号鶴田定之段線が旧国道328号線でした。

国道328号線はもと主要地方道鹿児島水俣線で、1970(昭和45)年4月に国道に昇格。 現在、この白看の表示に従えば、「さつま市街」方面は現在町道(=旧国道328号線)、 「紫尾」方面が県道397号です。

鹿児島県道397号線は、1958(昭和33)年11月に路線認定 (鶴田紫尾線として)、1979(昭和54)年4月に区間変更されていますので、 このタイミングで紫尾峠の区間は県道に降格したものと思われます。

トンネルの完成と 時差がありますが、おそらくこの区間の改良がすべて完成したタイミングに合わせたのでしょう。

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 ※紫尾峠の道標

 

◯場所はこちら

国土変遷アーカイブ

・1968(昭和43)年(双方の道ともにぐねぐね) 

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・1973(昭和48)年(国道328号線制定後。ぐねぐねの解消のために紫尾トンネルを含むバイパスを建設中)

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